サッカーの11人目は何をしているのか?

サッカー漫画を読んだことがない。 

 「ダイヤのA」も「エリアの騎士」も「キャプテン翼」もほとんど知らない。

ウイニングイレブンもやったことがない。

フィクションではない現実の試合をまともに見たことすらない。

もとからスポーツには興味が薄いのだが、特にサッカーは手首や足首にミサンガを巻いている怖い同級生のスポーツという印象が強く、競技に関連する全てから逃げている節がある。

サッカー情報からの逃避を続け、今更気づいたのだが、私はサッカーについて何も知らない。

野球ならルールがわかる。打ったり守ったりする。ストライクが3つでアウトで、アウトが3つで交代だ。ポジションも大体わかる。ショートとか外野とか。

 サッカーはよく分からない。シュートして点を取るくらいは知っているが、それだけの行為に11人も関わっている。対戦相手も含めたら22人だ。いったい彼らは試合中に何をしているんだ?

 

ゴールキーパーは知っている。体育の授業中は走り回りたくないのでキーパーばかり志願していた。あと、フォワードとディフェンスもわかる。攻撃と守備だ。フィールドが広いから2人ずつくらい必要なのだろうか。

サイドバックも聞いたことがある。何をするかは知らないが、確か右サイドバックと左サイドバックがいたはず。はさみうちとかするんだろう。

フォワードとディフェンスが2人ずつ、サイドバックが左右一人だとして、 残り4人。

他に知っているサッカー用語でポジションっぽいのは、ボランチとミドルシューターとミッドフィルダーだ。この用語自体が間違ってるかもしれないが。

ミドルシューターはわかりやすい。多分フィールドの真ん中あたりからシュートを打つのだ。すごい距離になりそうだが、まあ走り込みとかで鍛えているからできるんだろう。

ミッドフィルダーも真ん中あたりにいそうな名前だ。もう名前しか判断の材料が無い。省略形はMFだがマクロスフロンティアとは関係無いことは分かる。

ボランチ。これはそもそもポジションじゃなかった気がする。でも、名前からして攻撃的な役割ではなさそうだ。朝食と昼食の中間くらいの食事をとってそうだし。きっとのんびりした人が配属される、緩衝材みたいな部署ではないだろうか。

この3つのポジションは1人ずつで足りそうだ。私の脳内ではみんなフィールドの真ん中あたりにいることになっているし。

つまり、あと1人分、ポジションが足りない。

しかし、相手ゴール前の攻撃、自陣側の守備、真ん中あたり以外に11人目がいるべき場所はあるのか?

フォワードやディフェンスなどの目立つポジションは、きっとミサンガをいっぱいつけた、人間の中でもリーダー格の本田みたいな人が取っていくに違いない。

ゴールキーパーは、体育の授業でもなければ責任感のある頼れる奴が選ばれるだろう。

ミドルなあたりを任されるのは落ち着いて中立な立場をとれる人格者が多い(はず)。

リーダーでもなく人格者でもない11番目の選手は広いフィールド上で所在なく過ごす。

フォワードたちには悪し様に舌打ちされる。キーパーやミッドフィルダーにはもっと積極的に行けと叱咤される。

居場所がないから端に居ようとしても、そこには既にサイドバックがいる。 

ボランチはのんびりと間食を取っているだけだ。

 

 

11人いる! (小学館文庫)

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